これまでは「猫を飼いたい!」と思ったら、「ペットショップへ行こう!」という考えがほとんどだったのではないでしょうか?
しかし、今は「猫は買わずに、保護猫を飼おう!」という考えが周知されつつあります。
メディアでも動物保護について取り上げられるようになり、「保護猫」という名前が世間に注目されるようになりました。
これは、環境省や、保護猫ボランティア団体が動物保護についてコツコツ広めてきた成果です。
たしかに、動物特集ではボランティアさんの姿をよく見るようになったね。ボランティアなんてすごいよね、もっと知りたいな
うん、実際にどんな活動をしてるのか調べてみよう!
テレビや雑誌で取り上げているのは、ボランティア団体が活動しているほんの一部です。
この記事では、実際にしている活動内容を具体的に紹介します。
✓保護猫ボランティア団体が実際に行っている活動
保護猫ボランティア団体の活動とは
ボランティア活動の登録は各市区町村で申請手続きができます。
動物愛護ボランティアは多くがNPO法人や一般社団法人が行っており、
その活動のほとんどが非営利目的です。
誰が参加しているの?
「猫が大好き」「一匹でも多くの猫を幸せにしたい」
そんな猫への熱い思いを募らせた方々が参加しています。
プライベートな時間を削って参加しており、普段は会社勤めなどをしている方がほとんどです。
そのため、「野良猫がいるから今すぐ来てほしい!」という急な要請には応えられません。
ボランティアですから、報酬は出ませんし、動物相手なので危険もあります。
それでも、猫が幸せになるための活動に参加したいという方々が集まっているのです。
活動費はどうしているの?
活動費はボランティア団体の規模によって様々ですが、
猫の食費、猫砂などの日用品、シェルターの維持費、医療費、運搬費などが主な出費です。
猫の医療費は、健康診断、ワクチン、不妊手術などで少なくとも2万円はかかります。
行政からもらえる助成金は微々たるもので、活動費のほとんどが自己負担で成り立っています。
そのほかには、寄付金、SNS運用での広告費などを活動費に充てますが、これらも微々たるものです。
殺処分ゼロのための保護猫ボランティアの活動内容
活動内容は「猫のお世話をする」だけではありません。
「殺処分ゼロ」も目標ですが、
目標達成のためには「猫を生かす」だけでなく、「猫が幸せになる」必要があります。
そのための具体的活動内容を紹介します。
地域猫の管理と保護
✓地域猫の避妊・去勢手術を行う。
✓餌やりは近隣の迷惑にならないようマナーを守って行う。
「飼い主のいない猫」、つまり野良猫が増えると地域住民とのトラブルが多発します。
その結果、保健所に連れていかれてしまうパターンは少なくありません。
猫の繁殖力は高く、1匹の雌猫が1年で50匹以上に増えてしまう可能性があり、不幸な命を増やすことになってしまいます。
そのため地域猫の管理で一番重要視されているのは、不妊手術をして無闇に猫が増えるのを防ぐことです。
この活動をTNR(T=捕獲、N=不妊手術をする、R=元の場所に戻す)といいます。
捕獲して手術するって残酷なようですが、無闇に増えてしまうと地域の迷惑になり殺処分の対象になってしまいます。悲しい命を増やさないために、管理する必要があります。
保護猫シェルターでの飼育管理
✓シェルターにて保護猫の飼育・管理を行う。
✓どんな日でも、毎日お世話に行く必要がある。
地域猫を管理している中で、病気の猫、捨て猫、人に懐きすぎている猫などは、不妊手術後に保護猫シェルターで飼育します。
シェルターでの具体的活動は食事、トイレや部屋の掃除、病気の猫への投薬、人に慣れてもらうための訓練など、多岐に渡ります。
生き物なので、一度保護したら毎日お世話が必要です。
それでも、猫が安心・安全な住処で穏やかに生きてほしいから、毎日のお世話を欠かせません。
一度飼い猫になっていた猫、つまり捨て猫は外で生きていけません。人に懐きすぎている子も事件に巻き込まれてしまうので、保護する必要があります。
預かりボランティア
✓人に馴れてもらうために、自宅で保護猫の飼育をするボランティア
✓病気で弱っている猫にも行うことがある。
預かりボランティアは、実際のボランティアスタッフの自宅で保護猫を一定期間預かり、人馴れしてもらうボランティアです。
ボランティア団体によっては、トイレ・ケージなどを団体から貸し出されます。
人に馴れていないので、お世話しにくいですし、危険もありますが、同じ空間に長くいることで、人間が危険でないとわかってもらうことができます。
更に、病気で投薬が必要な猫も、自宅で預かる場合があります。
人間が身近にいることが人馴れの近道!
譲渡会の開催
✓譲渡会を開催することで保護猫が幸せになれる里親を探す。
✓その猫を守ってくれる家族になれるか見極める。
保護した猫の「ずっとのお家」、つまり家族を探すため譲渡会を開催します。
団体によっては、年齢・自宅にいる時間・家族構成など譲渡条件を敢えて厳しくつけ、譲渡後も欠かさず連絡してもらうこともあります。
軽い気持ちで里親になり、猫が病気になったり、脱走したりの事例があるからです。
そのため、里親希望の方から苦情が来ることもありますが、すべては猫に二度と辛い思いをしてほしくないからです。
譲渡会の目的は、猫を引き取る家族を探すことでなく、猫を幸せにしてくれる家族を探すことです。
譲渡会に来る家族が猫を大事にしてくれるか、これを見極めるのもボランティアの方々の仕事ですね。新しい家で絶対に幸せになってほしいですもんね!
ミルクボランティア
✓子猫を付きっ切りで育てるボランティア
✓生まれたての子猫は体が弱く、付きっ切りで育てる必要がある。
ミルクボランティアは、子猫を生後2か月程度まで育てるボランティアです。
かわいくて幸せなボランティアに聞こえますが、子猫の授乳は1~2時間おきの作業です。
昼も夜も関係ありませんので、自宅を離れる時間が長い人にはできません。
さらに体重がきちんと増えているか、排泄はできているか、温度管理も欠かせません。
必死に育てても子猫はすぐに死んでしまうこともあるので、肉体的にも精神的にも厳しいボランティアと言われています。
子猫は自分で温度管理できないし、親の母乳をもらえないとすぐに弱っちゃうんだ。子猫を育てるって難しいんだね。
正しい飼い方の広報
✓殺処分の現状を知ってもらうことで、保護猫活動の必要性を知ってもらう。
✓猫の正しい飼い方を広報することで、猫との暮らし方を理解してもらう。
地域猫を管理し、保護猫を譲渡する流れを作っても、人間側に正しい知識が身についていなければ、不幸な猫はなくなりません。
行政とも協力し、正しい飼い方、殺処分の実態、保護猫ボランティア活動を多くの人に知ってもらう必要があります。
実際に、メディアでも正しい飼い方が広まり、保護猫活動について興味を持つ人が多くなってきています。
正しい知識をみんなが身に着けることで、人と猫が仲良く生きていける社会にしたいね!
殺処分ゼロのため活動する保護猫ボランティアとは;まとめ
✓保護猫活動はボランティアで成り立っており、不幸な猫をなくしたいという思いを持った人たちが集まっている。
✓保護猫ボランティアの活動は多岐に渡り、地域猫の管理、保護猫の飼育、譲渡会の開催、子ネコの飼育、正しい知識の広報などがある。
保護猫活動の行政からの補助は少なく、人手も費用もギリギリで活動している団体も多いことでしょう。
それでも、一匹一匹を幸せにすることが、多くの猫たちの幸せに繋がります。
どんなに厳しい作業でも「猫に幸せになってほしい」の熱意で成り立っています。
辛い思いをして厳しい顔で生きていた猫が、里親宅で幸せそうなふにゃふにゃの顔を見られるのが最高の報酬です。
保護猫活動ってたくさんすることがあるんだねえ。
そうだね、でも、どんなに大変でも、私たちは猫達の幸せのために頑張っちゃうんだよ!
そっか、嬉しいな~!!