引っ越しが決まった時、猫も喜んでくれると簡単に考えていませんか?
すぐに馴染んで、いつも通りの生活になると考えていませんか?
準備をせずに引っ越しをしては、猫は体調を崩したり異常行動を起こしやすくなります。
そのリスクを知らないままだと、いつもと違う猫の様子に混乱してしまうでしょう。
猫と一緒に安全に引っ越するためには、
✓引っ越しによって猫が異常行動を起こす可能性があると理解しておく。
✓猫が落ち着く物を用意したり、動物病院の確認など事前準備が必要。
✓引っ越し当日は一番落ち着かないため、脱走やケガをしないよう配慮する。
この記事では、猫との長距離引っ越しを体験したLilyが、猫と安全に引っ越しを行うために必要な準備や注意点を説明します。
引っ越しによる環境変化が猫に与える影響
「猫は家につく」という言葉があるように、慣れた家を好み、環境の変化を嫌います。
猫にとって家が大事な理由は「縄張り意識」が関係します。
猫にとって家が大切な理由
猫は生涯で一定の範囲を縄張りと決め、その範囲に自分の匂いをつけます。
縄張りを守ることで他の動物とのトラブルを避けつつ生活し、種を存続してきました。
これが狩猟時代からの名残として、今も本能に残っています。
縄張りが自分の知ってる匂いだけだと安心するし、知らない場所には恐怖を感じます。
引っ越し後に起こりうる猫の異常行動
猫の異常行動には以下のようなものがあります。
✓食欲がなくなる
✓下痢や便秘などの消化器症状を起こす
✓トイレ以外の場所で排泄してしまう
✓走ったり、攻撃したり、大声で鳴いたりと落ち着かない
✓隠れるようになる
これらは新居に慣れてくると落ち着いてくることがほとんどです。
大事なことは、異常行動を起こしたときに怒ったり、大声を出したりしないことです。
怒られればストレスになり、余計に症状が悪化してしまいます。
引っ越し後の異常行動はある程度起きるものと理解して、新居に慣れるのを気長に待ちましょう。
食欲不振や消化器症状は、続くようなら動物病院の受診をお勧めします。
フェリウェイは猫フェイシャルホルモンをもとに作られたスプレーです。
フェロモンを感じることで猫に安心感を与え、リラックス効果をもたらします。
効果に即効性はないと報告されているので、心配であれば新居に事前に設置しておくのもお勧めです。
引っ越し当日までにできる猫の準備
引っ越し当日は多忙なため、臨機応変に対応するのは難しいでしょう。
だからこそ、当日までにできる準備はしておいて、猫の負担を減らすようにしましょう。
負担を減らすことで、猫が異常行動を起こすリスクも減らすこともできます。
移動のためのキャリーケースを準備する
リュック型や布製のキャリーケースは軽くて持ち運びに便利ですが、猫にとっては足場が不安定で落ち着きません。
長距離移動の場合は、丈夫で猫がくつろげる大きさのあるキャリーケースをお勧めします。
こちらのキャリーケースは扉が取り外し可能です。
しっかりとした大きさがあり、水飲みの装着も可能なので、引っ越し当日の避難場所としても使えます。
猫グッズはすぐに出せるようにしておく
移動中の猫は、緊張して食事・排泄ができません。
落ち着いたら食事・排泄ができるように、猫グッズはすぐに出せるようにしておきましょう。
すぐに出しておきたいものは以下の通りです。
✓フード
✓トイレ(簡易的なものでも)
✓トイレ砂(使っていたトイレから2杯ほど取っておく)
✓使用していたブランケットや毛布
私は長距離引っ越しだったため、荷物がすぐに持ってこれなかったので簡易トイレを使用しました。
この簡易トイレに元々入っていた砂を入れたら、無事にトイレをしてくれました。
猫グッズは新調しない
「引っ越したら猫にも新しいものを買ってあげたい!」と思う方もいるかもしれません。
ですが、新しい家に連れてこられて猫は不安になっている状態です。
自分の匂いのついている物は「ここは自分の場所なんだ」と安心材料になるので、猫グッズはできる限り今までのまま使用しましょう。
マイクロチップや迷子札の住所変更をする
今まで外に興味がなかった猫でも、新居で落ち着かないと外に飛び出してしまう可能性があります。
脱走しないように対策するのはもちろんですが、マイクロチップの登録をしていたら早めに住所変更をしましょう。
首輪に迷子札があれば、そちらも変更をしておきましょう。
引っ越し先の動物病院を検索しておく
猫は長距離移動だけでも体調を崩す可能性があります。
猫によってはストレスがかかりすぎて、呼吸困難に陥る場合もあります。
引っ越し後、猫の体調に異変を感じたら早めの受診が必要です。
迅速な対応ができるように、引っ越し先が決まったらあらかじめ近隣の動物病院を探しておきましょう。
引っ越し当日の猫の注意点
引っ越し当日は、荷物の搬入、長距離移動、知らない人の出入りなど、猫にとっては落ち着かない日になります。
そんな引っ越し当日の注意点を説明します。
当日、忙しいようなら、家の状態が落ち着くまでペットホテルに預けてみるのもいいかもしれません。
猫の居場所を確保する
どんなに人に馴れている猫でも、引っ越し中は脱走事故が起きる可能性があります。
ドアを開けっぱなしにすることが多い上、知らない環境でパニック状態になるため飛び出してしまうことが多々あります。
荷物の出入りが激しいときは、キャリーケースの中や、荷物を入れない部屋など把握できる場所にいてもらいましょう。
閉じ込めているようで可哀想に思いますが、猫にとっても落ち着ける場所があったほうがよいので必要な隔離です。
ふすまのような扉では猫が開けてしまう可能性があるので注意!
猫に構いすぎない
新居に到着すると、猫は安全確認のための探索をしたり、部屋のあちこちに顔をこすりつけて縄張りを作ったりと忙しく動きます。
自分の居場所だと安心できれば、ようやく食事・排泄・睡眠をとることができます。
心配で必要以上に構いたくなりますが、これらの作業は猫にとって必要なので我慢してそっとしておきましょう。
危険物は不用意に置かない
荷解き作業中はハサミやカッターを床に置いてしまうことがあります。
そのほかには、皿などの割れ物や貴重品も床に置いてしまうことがあるでしょう。
猫は床をうろうろしてしまうため、危険物は置かないよう気を付けましょう。
猫に負担をかけない引っ越しの準備と注意点;まとめ
✓猫にとって家は縄張りであり、引っ越しは異常行動を起こす場合がある。
✓準備をしておくことで、引っ越し後の猫への負担が減らせる。
✓引っ越し当日は落ち着かないため、脱走やケガなど危険がないよう配慮する。
どんなに飼い主が大好きでも、大人しい猫でも、環境が変われば走ったり鳴いたりといつもと違う行動に出る可能性はあります。
そのくらい猫にとって家は大切です。
まずは安全に引っ越し作業を行い、新居に慣れるのを気長に待ちましょう。