生きていれば様々な事情で引っ越しをする必要も出てきます。
もちろん、どこへ行くにしても猫と一緒!
でも、猫って飛行機に乗ってもいいの?病気にならないかな?何を準備したらいいのかな?
猫の飛行機乗車は可能です。
しかし、飛行機の揺れ、騒音、気圧の変化など不安要素は多いかと思います。
安全に移動するためには準備が必要になります。
数年前の話になりますが、シニア猫のリオ君と一緒に飛行機を使った引っ越しをする機会がありました。
✓猫が飛行機乗車による影響と対策、必要物品
✓猫の飛行機乗車の実際の流れ
猫と飛行機に乗る必要がある場合の参考になれば幸いです。
猫の飛行機乗車の輸送環境と予約方法
各航空会社によって異なりますが、猫が飛行機に乗車できる条件は以下の通りです。
✓家庭で飼い慣らされており、産業用・売買用ではない
✓生後4か月未満でない
✓健康状態が良好
✓大きな鳴き声、においがしない
乗車可能か不安な場合は、あらかじめ航空会社に問い合わせしておくことをお勧めします。
猫の飛行機乗車の輸送環境について
猫は国内線において機内持ち込みはできず手荷物として預けることになります。
そのため、貨物室より後方のバルクカード室と呼ばれる場所での移動となります。
バルクカード室では、空調機である程度の温度調整をされていますが、それでも客室よりは外気温の影響を受けやすい場所であることを理解しておきましょう。
猫が飛行機乗車するための予約方法と同意書
今回は利用したANAの予約方法を紹介します。
ANAの国内ペット料金は6,500円(一部4,500円)です(2020年の場合)。
予約の流れ
1、まず通常通り航空券の予約をします。
2、「予約完了」または「予約詳細」の「サポート/サービス情報」タブより登録画面に進みみます。
予約できているか不安な場合は、事前に電話で問い合わせをしましょう。
混み合う時期はペットを乗せられない可能性もあるので、あらかじめ電話で問い合わせておくことをお勧めします。
同意書の記入
ストレスの強い環境に置かれる猫の飛行機乗車は、衰弱・死傷のリスクはゼロではありません。
そのリスクを理解していることを示すため、乗車には同意書が必要になります。
事前に印刷し記入しておくと受け渡しがスムーズになります。
主な記入内容は、
✓氏名・ペットの種類・利用する便名の記入
✓ペットの健康状態の記入
✓輸送環境を理解したうえで、航空会社に責任を問わないことの同意
飛行機乗車による猫への影響とその対策
悲しいことですが、年に1度は飛行機乗車によるペットの死亡例が確認されています。
こちらにANAの過去のペット死亡数が載ってます。JALでもほぼ同数の死亡数です。
というのも、小さな動物の身体には飛行機発着による気圧の変化・騒音が大きな負担になります。
さらに猫はもともと環境の変化によるストレスを受けやすいため、本来は長距離移動は避けたい生き物です。
だからこそ、猫の飛行機乗車を安全に行うためには万全の準備が必要となります。
健康状態のチェック
飛行機乗車が決まったら、早めに動物病院で健康状態をチェックしてもらいましょう。
ケージに入れたときにパニックになって暴れたりするなら、相談してみてください。
鎮静剤は循環器などに異常をきたす恐れがあり勧められませんが、程度によっては心を落ち着かせるサプリメントなどで穏やかになる可能性もあります。
「ジルケーン」は母乳成分が配合されたサプリメントで、不安を和らげる効果を期待できます。ですが、あくまでもサプリメントなので効果には差があります。
また、今まで乗り物で気分が悪くなったことのある場合は、酔い止めの処方を検討してもらいましょう。
短頭種(ヒマラヤン・エキゾチックショートヘア・ペルシャ・バーミーズなど)は気圧の影響を受けやすく、呼吸困難を起こす可能性があります。
必ず獣医に相談しましょう。
到着空港の近くの動物病院を調べておく
到着後、問題なく生活ができるなら受診は必要ありません。
ですが、呼吸状態など明らかに体調が悪そうならすぐに空港近くの動物病院へ連れて行く必要があります。
その時すぐに行動できるよう、あらかじめ動物病院を調べておくことをお勧めします。
必要物品の準備
必要なものは早めに準備し、普段から猫がいる場所に置くことをお勧めします。
自分の匂いがついているものを使用することで、パニックになるリスクが減ります。
飛行機に乗ることができるエアトラベルキャリーケース
キャリーケースには様々な種類がありますが、安全のために飛行機に乗せられるエアトラベルキャリーケースには厳しい基準が設けられています。
✓通気性があり頑丈に作られている。カギもかけられる。
✓ペットが立ったり、寝たり、回転できるスペースがある。
✓車輪を外すことができ、床に固定することができる。
航空会社によっては、エアトラベルキャリーを無料で貸し出してくれる場合もあります。
ですが、貸し出されたキャリーケースは、知らない匂いで落ち着かない、移る際に暴れるなどのリスクがあります。
あらかじめ購入しておけば、猫への負担も少なくなるでしょう。
購入後は猫のいる場所に置いて、自由に出入りできるようにしてみましょう。
猫が自らキャリーケースに入るようになれば、出発もスムーズにできます。
マット
キャリーケースはそのまま使用すると、足元が滑りやすく不安定です。
季節に合わせたマットを敷いておくことで、気温の影響も受けにくくなります。
夏用マット
冬用マット
こちらも早いうちから自分の匂いをつけてもらっておくと、出発時に安心してもらます。
ペットシート
猫は都合のいい時間に排泄をしません。
移動中に失禁をしてしまう可能性がありますので、毛布の下にペットシーツを敷くと乗車中に体が汚れにくくなります。
猫が飛行機乗車する実際の流れ
私と猫が実際に飛行機乗車した時の状況です。
当時の猫の状態…雑種、15歳、去勢しており健康状態問題なし
利用した航空会社…ANA国内線
時期…1月、観光客は少ない時期
健康状態には問題ありませんでしたが、初めての飛行機乗車であることや、シニア猫であることが不安材料でした。
航空会社にANAを選択したのは、発着時間がちょうどよかったからでした。対応が丁寧でしたので結果的によかったです。
タイミングは1月のハイシーズンを避けた時期でした。空港利用者が少なかったこともあり落ち着いて対応していただけました。
移動スケジュール
今回の移動スケジュールを紹介します。
自宅からタクシーで空港へ(30分)
出発1時間前に空港に到着し猫を預ける
飛行機での移動(約3時間)
猫を引き取る
国内ではありますが飛行時間が3時間と長く、計5時間ほどキャリーケースに入れてしまうので心配でした。
飛行機乗車前の準備
✓緊張による嘔吐を防ぐため、出発4時間前から食事を与えない。与えても少量のみ。
✓キャリー内で排泄してもいいように、毛布の下にペットシーツを敷いておく。
✓興奮しないように出発後は大きなタオルで覆い、外が見えないようにしておく。
✓空港までタクシーで向かう場合は、猫が同乗することも伝えておく。
食事を与えられないのは辛いことですが、狭い場所では上手く嘔吐できず窒息してしまう恐れもあります。
下の写真は、実際に使用したキャリーケースです。
外に出てからは、興奮しないように大きなタオルでくるみました。
右写真にある水飲みはこぼれる可能性があり使用できず、こぼれない水飲みを無料レンタルし装着しました。
いざ飛行機乗車へ
チェックインカウンターにて預ける
チェックインカウンターに到着したら、キャリーケースごと猫を預けます。
預ける際にキャリーケースや猫の状態の確認がありますが、持参したもので問題なければ猫をキャリーケースから出すことはありません。
猫が不安にならないように、丁寧に声をかけながら運んでくれました。
料金の支払いと同意書の提出
猫の受け渡し時に、その場で料金の支払いと同意書の提出をします。
事前に金額と同意書を準備しておいたので、時間はかかりませんでした。
飛行中の猫の様子
下の写真はJALでのキャリーケースの固定の様子です。
うちの子おでかけマップ
キャリーケースが動いて猫が危険な目に合わないよう、しっかりと止めてくれているので安心できます。
到着後、荷物受け取りカウンターで引き取る
ANAでは手荷物受取場の中にある、受け取りカウンターにて猫を引き取りました。
空港でキャリーケースを開けるのは危険なので、顔を見て元気そうか確認します。
自宅に連れて帰ってから
長時間の移動で緊張状態が続き、猫は極度に疲労しているはずです。
到着後すぐに食事はできないと思いますので、落ち着ける寝床を作って体力の回復に努めてもらいましょう。
落ち着いたら、排泄はするか、食事や水は取れたかなど普段通りに活動できているかを観察しましょう。
翌日になっても、食事をとらず、排泄もしないならすぐに病院を受診しましょう。
猫の飛行機乗車の実際と注意点;まとめ
✓猫の飛行機乗車は可能だが、小さい体には負担がかかり大きなストレスを与えてしまう恐れがあるため、できる限りの対策を練る必要がある。
✓動物病院の受診し健康状態を診てもらうことで、安全に飛行機乗車できそうか診てもらう。
✓キャリーケースやマットを早めに購入し匂いをつけてもらうなどで緊張が少しでも緩和できる。
✓猫の飛行機乗車の流れを確認しスムーズに動くことで、猫への負担を少しでも減らすことができる。
どんなに家では馴れている猫でも、普段と違う状況に置かれるとパニックになる可能性があります。
猫は大事な家族ですから、私たちはできる限りの対策をして飛行機乗車に挑みましょう。